21Dec
みなさまこんにちは、オリーブオイルソムリエのベリタリアです。
今年の10月中旬にベルガモットオリーブオイルを作っている「アナスタシ社」を訪問したレポートの続きです。
南イタリアではオーガニックオリーブオイルの先駆者的なアナスタシ社では、あらゆる面ですばらしい取り組みをなさっています。
15年という長い取り組みの積み重ねをなさっている実力はさすがだと思いました。
こちらの工場で特にびっくりしたのは、オリーブオイルを作る電気や動力を完全にオリーブのカスで出来たメタンガスや太陽光でまかなっている点でした。
通常は一番搾りのオリーブオイルを絞った後に残ったカスは別の業者さんに販売されて、その業者さんが二番搾りや三番搾りのオリーブオイルを作るのですが、アナスタシ社では、その先の工程①~⑤も自社でおこなっています。
アナスタシ社が行ってる自然の法則にそった、取組をご覧ください。
①オリーブオイルを作った後には水と果肉と種が入り混じったペーストが残ります。水は貯蔵しておいて、必要なときにオリーブの木に散水します。
②オリーブオイルを絞った後のペーストは貯蔵タンクに保管されて、熟成するとメタンガス発生します。そのメタンガスで電力を作ったり、また暖房の燃料に使います。
③ペーストの中から種のみを取り出す技術を持っています。
油を含んだ種はよく燃えるので燃料として使われます。特に香りがよいので、ピザ屋さんに販売されることもあるそうです。
④工場の屋根には、ソーラーパネルが設置されており、作った電力で機械などの動力をまかなっています。
⑤南イタリアの厳しい夏を乗り切るために散水設備が整っています。、湖から水を引く電力も自社でまかなっています。
国立公園の中にある畑であるがゆえに、自然との共存を余儀なく求められたからだとオーナーは笑って答えられていましたが、自然を大切にしつつ、オリーブを育て、オリーブオイルを作るシステムを作るには並以上の努力や投資が必要だったことは容易に想像できます。
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コメント
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コメント (2)
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とっても興味深く拝見しました。
後工程で、捨てるものゼロの再利用の仕方、エネルギーの作り方、使い方は、すばらしいですね。
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そうなんですよ、私も色々な搾油所を訪問しましたが、ここまで徹底して上手に再利用している所はありませんでした。 再利用はコストも労力もかかりますが、それを敢えて挑戦なさってる姿に感動しました。